万歩計というデバイスの存在により、ウォーキングは1日1万歩がいいものだと刷り込まれている人もいるかと思いますが、実際のところ本当にウォーキングで1日1万歩も歩いたほうがいいのか、そのエビデンスがあるのか気になっている人もいますよね。
実は最近になって1日1万歩は歩きすぎという考え方が広まりつつあります。ただ、専門家によっては5000歩でいいという人や8000歩は必要だという人もいて、何歩が正解なのかわからず悩んでいる人もいるかと思います。そこでここでは、ウォーキングの歩数(ステップ数)について、詳しく解説していきます。
理想の歩数は1日トータル8000歩
まずWALKING STREET 365としての結論からお伝えしますが、健康を意識するなら1日で歩くべき歩数は8000歩が理想です。もちろん年齢や目的、理想の定義などにより、5000歩や1万歩が理想になるケースもあります。ただ、自分自身を平均的な日本人と考えるなら、8000歩を目安にしてください。
この8000歩というのは、ウォーキングでの歩数ではなく、1日トータルの歩数になります。たとえば通勤で3000歩ほど歩いたなら、ウォーキングは5000歩でOKということになります。反対にテレワークで自宅仕事になっているなら、ウォーキングで8000歩を確保する必要があります。
ちなみにウォーキングで8000歩を実現するには、1歩を70cmとすると5.6kmも歩く必要があります。どれくらいのスピードで歩くかにもよりますが、この場合は1時間15〜30分ほど歩くことになり、仕事や家事に追われている人ですと、現実的ではないですよね。
ただ、それくらいの歩数を歩かないと足腰が弱っていきますし、体重も増えて生活習慣病のリスクが上がってしまいます。ウォーキングは趣味だから……と優先順位を下げられがちですが、健康的な生活を送りたいなら、むしろ最優先しなくてはいけない運動です。
特別な理由がない限り、1日8000歩を毎日続けるようにしてください。ただし、基本的な考え方としては累積はしないでください。もし悪天候で2000歩しか歩いていなかったとしても、翌日以降に6000歩を振り分けるのではなく、1日が終わったら不足分はリセットしてください。
歩数はスマホかスマートウォッチで計測
8000歩が理想だとわかったものの、そもそも歩数をどうやってカウントすればいいかわからない人もいますよね。実は歩数というのは、この記事を読んでいるそのスマホで計測できます(パソコンで読んでいる人もいると思いますが)。
そんなアプリ入れてないよという人もいるかも知れませんが、iPhoneなら「ヘルスケア」、Androidなら「Google Fit」で自動的に計測されています。もちろんスマホを持ち歩いていないと歩数はカウントされませんが、たとえばiPhoneのヘルスケアでは次のように表示されます。
8000歩が理想と言いながらずいぶんな歩数じゃないかと言われそうですが、私はランニングを専門としていて、1日20km近く走ることもあるため、どうしても歩数が増えています。大事なのはそこではなく、スマホを使えば簡単に歩数を計測できるということです。
ただし、ウォーキング中にスマホで歩数を確認するというのは歩きスマホになって危険ですので、ウォーキングをするときにはスマートウォッチや活動量計を使うのがおすすめです。アップルウォッチはもちろんですが、歩数を表示するだけなら5,000円以下のスマートウォッチでも対応しています。
安全にウォーキングを楽しむためにも、歩数計測・ステップ数計測はスマートウォッチを使うようにしてください。
カロリー消費を増やしたいなら歩数ではなくペースを上げよう
通勤や通学も含めて8000歩が理想だとするなら、ウォーキングは30分くらいしかできない。ダイエット目的でウォーキングをしている人ですと、これでは痩せられそうにないと感じるかもしれません。でも、健康のことを優先させるなら歩数を増やすのはNGです。
運動はやればやるほど成長すると考えている人もいるようですが、理想を超えた負荷の運動はむしろ体を不健康な状態に持っていきます。ではカロリー消費をもっと増やしたい場合にはどうすればいいのかというと、歩数ではなくペースを上げてください。
ペースを上げるときに気をつけたいのが、足を速く動かすのではなく、1歩を広くするということです。足を速く動かしてペースを上げてしまうと、運動時間が短くなるだけで移動距離はほとんど変わらず、消費カロリーもほぼ同じです。
ところが1歩を大きくすれば、それだけ1歩に使うエネルギーは大きくなります。30分で2km歩いていたのが2.2kmになれば、消費カロリーは単純計算で10%も上がります。ただ、そもそもウォーキングだけで痩せることは難しいので、ペースを上げるだけでなく、きちんとカロリー収支を考えた食生活を心がけてください。
ウォーキングとダイエットの関係については別記事がございますので、そちらをご参照ください。
最初は8000歩も歩けなくても問題なし!
ここでは簡単に「1日8000歩」とお伝えしましたが、これからウォーキングをするという人にしてみれば、「そんなにも歩けない」と思ってしまう歩数かもしれません。でもまったく問題ありません。1日8000歩というのは、最終目的地であって、最初は1000歩でも2000歩でも構いません。
そして、継続さえしていれば8000歩を数ヶ月で簡単に歩けるようになります。江戸時代の日本人はお伊勢参りなどに出かけるときには、1日30〜40km歩いていました。人間の体はそれくらいのポテンシャルが備わっていて、8000歩はそのポテンシャルを少し引き出すだけで実現します。
大事なのはがんばらないこと。そして少しずつ歩く歩数を増やしていくことです。そして8000歩を歩けるようになっても、日常生活ではむしろそれ以上を歩かないようにしてください。体力がついてくると1時間でも2時間でも歩きたくなると思いますが、そういう長時間のウォーキングは週1回の歩き旅などで行いましょう。
いずれにしても大事なのは「できるだけ毎日歩く」ことです。そのときの目標が8000歩であって、5000歩だと意味がないというわけではありません。歩き出さないことには歩ける歩数も増えていきませんので、まずはできる範囲で歩くように心がけてください。