ウォーキングでダイエットできる?:ウォーキングダイエット成功の秘訣

会社の健康診断でお医者さんに「ダイエットしたほうがいい」と進められたので、何か運動をしたいけど走るのは好きじゃないからウォーキングをしようと思っていたら、「ウォーキングだと痩せない」と言われてどうしたものか迷っている人いますよね。

確かにウォーキングだけでダイエットを成功させるのは簡単ではありませんが、ウォーキングダイエットのメカニズムをしっかりと把握したうえで取り組めば、きちんと体重を落とすことができます。そこでここでは、ウォーキングダイエットを成功させるための秘訣について解説していきます。

目次

ウォーキングダイエットのメカニズム

まずはウォーキングダイエットが、どのようなメカニズムで「痩せる」のかを解説していきます。ウォーキングで痩せるメカニズムを理解するためには、まずダイエットの基本となる考え方を頭に入れておく必要があります。世の中にはいろいろなダイエット方法がありますが、大原則となる考え方が下記になります。

消費カロリー > 摂取カロリー

そんなことあたり前ではないかと思うかもしれませんが、多くの人は楽して痩せることばかり考えていて、例えばバナナを食べるだけとかチョコレートを食べるだけのようなダイエットをしがちです。でも本質は消費カロリーが摂取カロリーを上回ること以外に痩せる方法はありません。

そしてウォーキングは消費カロリーを増やすことに貢献するのですが、ここで大事なのは1日の消費カロリーが摂取カロリーをきちんと上回っていることになります(1週間でも1ヶ月でも構いません)。たとえば1日2000kcal接種していて、消費もちょうど2000kcalだった場合、生活習慣にウォーキングを入れることで痩せるというわけです。

ではウォーキングがどれくらいカロリーを消費するのかを見ていきましょう。

ウォーキングで消費するカロリー

ウォーキングでどれくらいのカロリーを消費するのかは、METs(メッツ)を用いて計算します。METsというのは運動強度で、ウォーキングのMETsがどれくらいなのかは、国立健康・栄養研究所が改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』としてまとめています(参考:https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf)。

改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』によるとウォーキングのMETsは次のようになります。

ゆっくり歩く2.0 METs
ほどほどの速さで歩く3.5 METs
通学や通勤4.0 METs
ノルディックウォーキング4.8 METs
ハイキング6.0 METs

このMETsと下記の計算式を使って消費カロリーを計算します。

消費カロリー(kcal)= メッツ × 体重(kg)× 運動時間(h) × 1.05

たとえば、体重が60kgの人がほどほどの速さ(3.5 METs)で30分歩いたときには、110kcal消費する計算になります。たった110kcalにしかならないの?と思うかもしれませんが、ウォーキングダイエットは積み重ねによるダイエットで、1日歩いたくらいで目に見えて痩せるなんてことはありません。

ちなみに110kcalでどれくらい痩せるのかというと、脂肪は1gが9kcalですので、約12.2gほど脂肪が燃焼する計算になります。たった12.2gですから「ウォーキングでは痩せない」と言われるのはわかりますよね。でも繰り返しになりますが、ウォーキングダイエットは積み重ねのダイエットです。

たった12.2gでも365日続ければ、約4.5kgも痩せられる計算になります。これを小さいと思うか、それとも大きいと思うかは人によって異なるかと思いますが、毎日30分歩くだけでそんなにもスリムになるなら、やってみる価値はありますよね。

ただし、何も考えずに歩きだしても、多くの人が数ヶ月もしないうちにウォーキングを止めてしまいます。その一方で何年も継続できている人もいるのも事実。なぜ継続できる人とできない人がいるのでしょう?実はウォーキングダイエットを成功させるには5つの秘訣があります。次章ではその秘訣について解説していきます。

ウォーキングダイエットを成功させる5つの秘訣

ウォーキングでダイエットをするには、継続性が大事だということがここまでの説明で理解してもらえたかと思います。そうなると、どうすれば継続できるのかという話になりますが、それにはちょっとした秘訣があります。

ウォーキングダイエットを成功させる5つの秘訣

  1. 現実的で達成可能な目標を設定する
  2. 毎日のルーティンにする
  3. 快適なウォーキングシューズや服装を選ぶ
  4. 栄養バランスを考えつつもカロリーオーバーさせない食事
  5. 途中経過を記録する

この5点が、ウォーキングダイエットを成功させる秘訣です。それぞれについて内容を詳しく見ていきましょう。

現実的で達成可能な目標を設定する

すでにお伝えしましたように、1日30分のウォーキングでは、脂肪は約12.2gしか減りません。このため、ウォーキングだけで体重を減らそうとすると、必然的に歩く時間が長くなります。もし1ヶ月で1kg痩せることを目標とすると、1日1時間半も歩かなくてはいけなくなります。

それだけ時間と体力があればいいのですが、ほとんどの人にとって現実的ではありませんよね。実現不可能な目標を立ててしまうと、無理なウォーキングをしてしまってケガをするか、もしくは目標を達成できなかった自分に不甲斐なさを感じて、ウォーキングをやめてしまいます。

そうなっては元も子もありません。ウォーキングでダイエットをしたいなら、1ヶ月で500g以上痩せるような目標は立てないようにしてください。

毎日のルーティンにする

ウォーキングは1日の生活の中で、いつ行ってもダイエット効果は変わりません。正確には多少の違いはあるのですが、カロリー収支の考え方だけを意識するなら、いつ歩いても30分は30分です。でも「いつやってもいい」の発想がウォーキングを先送りして、いつの間にか「今日も歩けなかった」になります。

ウォーキングを何年も継続させたいなら、ウォーキングを毎日の歯磨きと同等のルーティンにしてください。たとえば朝起きたら、すぐに着替えてそのまま歩くようにしたり、夕方5時になったら何をしていても歩きに行くといったように、いつ歩くのかを決めてスケジュールを固定させてしまいましょう。

他にも通勤時間に数駅手前で降りて歩くというのもOK。大事なのはウォーキングをする理由も考えなくていいくらい、あたり前のように歩くように生活に取り入れるようにすることです。

快適なウォーキングシューズや服装を選ぶ

ウォーキングをする場合、普段着でも問題ないのですが、継続させたいなら専用のシューズやウェアを揃えましょう。自分にとってのユニフォームをつくることで、気持ちの入れ替えがしやすくなります。もちろん、専用のシューズやウェアを身につけることで歩きやすくなります。

選び方については別記事でご紹介しますが、ここで大事なのは自分のモチベーションが上がるものを選ぶということです。あまりお金をかけられないというのであれば、ワークマンなどで揃えるのもOKですが、予算に余裕があるなら、自分がときめくアイテムを購入してください。

快適かつ自分のモチベーションが上がるウェアは、ウォーキングに行くのが楽しくなります。「もっと歩きたい」という気持ちを高めてくれて、より高いダイエット効果を期待できます。

栄養バランスを考えつつもカロリーオーバーさせない食事

耳にタコができるほど言い続けますが、ダイエットで大事なのはカロリー収支です。消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、必ず体重は落ちていきます。ということは、反対に考えると歩いたことでいつも以上にお腹がすいて、多めに食べてしまったりすると、歩いているのに太るという状態になってしまいます。

だからといって食事を抑えると必要な栄養成分を摂取できませんし、糖質を抜いたりするとウォーキングするときのエネルギーが不足して、途中で歩けなくなったり、ふらついたりして事故になる可能性があります。しっかりと栄養バランスを考えて3食食べるのは当然ですが、その中でカロリー摂取を控えるようにしてください。

たとえば間食をやめたり、晩酌のときのおつまみを低カロリーなものに変えるなどして、摂取カロリーを必要最小限に抑えるように工夫してください。

途中経過を記録する

ダイエットの基本は「記録をつけること」です。毎日体重計に乗って、体重をメモしておきましょう。最近は体重計とスマホアプリを連携させて体重をアプリに記録できるサービスも増えていますが、それだけではただ計測するだけで終わってしまいます。

体重の管理をしっかりと行いたいなら「あすけん」のようなサービスを使って、食事と運動の管理をしてみましょう。自分の手で入力することで、現在の体重や食生活を普段から意識できるようになり、生活そのものの見直しもできるようになるので、ウォーキングダイエットをするときにとても有効です。

スマホアプリがあまり得意でないなら、毎日の体重を書き出して、自分なりにコメントをつけるだけでも構いません。大事なのは定期的に計測し、途中経過を記録することです。こちらも習慣化させるために、毎日つけるのがおすすめです。

ウォーキングダイエットをするときの注意点

ウォーキングダイエットは継続が重要だと繰り返しお伝えしていますが、何も考えずに継続しておけばいいということでもありません。実践するにはいくつか気をつけなくてはいけないポイントがありますので、どのような点に気をつければいいのか見ていきましょう。

ウォーキングダイエットをするときの注意点

  • ルーティン化できるまでは継続にこだわらない
  • その日の体調に合わせて距離や時間を調整する
  • 明るい時間帯に歩く
  • 歩きながらの水分補給を心がける
  • 歩きはじめはゆっくりと

この5点がウォーキングダイエットをするときの注意点です。それぞれについて詳しく解説していきます。

ルーティン化できるまでは継続にこだわらない

ウォーキングで痩せるには習慣化させることが重要になりますが、ルーティン化できていないのに無理に継続しようとすると、歩けなかった日に自分を責めてしまい、ウォーキングのモチベーションが下がってしまいます。あたり前のように歩きに行くようになるまでは、歩けない日があっても構いません。

もしウォーキングを休んでしまっても「そんな日もある」くらいに考えておきましょう。

その日の体調に合わせて距離や時間を調整する

毎日30分歩くと決めたときに、忠実に30分歩こうとする人がいますが、人間は毎日体調が異なり、同じ30分でもその日のコンディションによってはきつく感じることもあります。特にウォーキングを始めたばかりは、疲労が溜まりやすく、無理に歩くと調子を崩してしまう可能性があります。

歩き始めて10mで「今日は無理かも」と思ったら引き返してOK。誰かに強制されているわけではないので、自分の体の声に従って距離や時間を調整しましょう。

明るい時間帯に歩く

ウォーキングを安全に楽しむために、できるだけ明るい時間帯に歩くようにしてください。暗い時間に歩いていると車やバイクからの視認性が落ちてしまうので、歩道のない道路などでは事故に繋がります。夕暮れどきも危険ですので、どうしてもそのような時間帯に歩く場合には、白いウェアを着るようにしてください。

また、夏場は日中の気温が上がり熱中症のリスクがあるので、早朝のウォーキングがおすすめです。これからルーティンにするという人は、夏場を見越して早朝に歩くようにしましょう。

歩きながらの水分補給を心がける

ウォーキングは負荷の軽い運動ですが、30分も歩けば冬場でもじんわりと汗をかいています。気温や湿度の高い夏になればなおさらです。できれば水筒にスポーツドリンクを入れて歩くようにしてください。ウォーキングなら水でもかまいませんが、夏場に水ばかり補給すると体内のミネラルバランスが崩れてしまいます。

汗が流れるような日はスポーツドリンク、そうでない日は麦茶で水分補給をするのがおすすめです。反対にNGなのはコーヒーと緑茶です。どちらも利尿作用があり、体から水分を奪ってしまうので注意してください。

歩きはじめはゆっくりと

ウォーキングのコツとして歩き出す前にストレッチをするように説明しているサイトもありますが、からだがあたたまっていないのにストレッチをしても逆効果です。ストレッチをするのではなく、最初の10分はゆっくりと歩くように心がけるだけでOKです。

そもそも「ストレッチをしなくては」というプレッシャーがウォーキングの習慣化を邪魔します。着替えたら散歩に行くくらいの感覚で歩き出し、ある程度体がほぐれてきたら、フォームを意識して歩きましょう。

FAQ

ダイエットのためには何分歩くのがいい?

歩く時間はその人の体力によって異なります。時間を決めて歩くのではなく、どれくらいの時間なら無理なく毎日計測できるかを考えて、歩く時間を決めてください。

毎日歩いているのに痩せられません、どうすればいいですか?

毎日歩いていても、消費カロリーが摂取カロリーを下回っていたら痩せることはありません。食事を見直すか、可能であれば歩く時間を伸ばしてみてください。

朝と夕方どちらに歩けばいいですか?

一般的に朝のウォーキングのほうが痩せやすいとされていますが、気にするほどではありません。朝と夕方のどちらのほうが継続しやすいかを考えて歩くタイミングを決めてください。個人的には空気がきれいな朝のほうが気持ちいいので、朝をおすすめしますが。

ウォーキングをしていたら膝が痛くなってきました。休まず歩いたほうがいいですか?

膝だけでなく、体のどこかに違和感が出たらお休みしてください。痛みが出るよりも前に休むのがポイントで、そこから2〜3日足を休めて、また歩いてみましょう。それで痛みが出るようなら病院で診てもらいましょう。

習慣化こそがウォーキングダイエットのコツ

ダイエットのためにウォーキングをする場合、結果が出るまでどうしても時間がかかってしまいます。目に見えて痩せていくわけではないので、物足りなくてウォーキングをやめてしまう人も少なくありません。でも歩くことで消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、確実に体重は落ちていきます。

数日で結果が出ないと諦めてしまうのではなく、気長に継続していきましょう。おそらく1ヶ月も歩いていると、体重はそれほど減っていないのに、体が軽く感じたり、仕事と向き合う意欲が湧いてきたりしている自分に気づくことになるはずです。

それがまた歩くモチベーションになり、歩き続けさえすれば1年後にはスリムになった自分に出会えるはずです。そのために大事なのは習慣化です。習慣化するのも時間がかかりますが、多少は自分に甘くても構わないので、とにかく継続することだけを頭に入れて、自分に適したウォーキングスタイルを手に入れましょう。

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この記事を書いた人

神奈川と東京を中心に活動しているパーソナルトレーナーです。学生時代はプロのサッカー選手を目指し、大学卒業後にランニングの魅力にはまりトレーナーに。体の使い方を中心としたパーソナルトレーニングを行っています。

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