若い頃はいくらでも眠れていたのに、加齢により睡眠時間が短くなって、しっかり寝ている感覚がなくなったと感じたことありませんか?歳を取ると睡眠時間が短くなるのは一般的なことで、それはもう仕方がないことだと受け入れている人もいるかもしれませんが、歳を取ってもしっかり寝れる方法がいくつかあります。
その中でも最もお手軽なのが「ウォーキング」です。ウォーキングはお金をかけずに始めることができ、しかも得られる効果が高いので、コストパフォーマンスに優れた運動になります。ここではそんなウォーキングと睡眠の関係について、わかりやすく解説していきます。
ウォーキングが上質な睡眠につながる理由
上質な睡眠を得るためには、いくつかの条件が揃っていなくてはいけません。どのような条件が必要なのか見ていきましょう。
上質な睡眠を得るための条件
- 快適な睡眠環境を整える
- 栄養バランスのいい食事
- 運動による程よい疲労感がある
- 規則正しい時間に起きて体内時計をリセットする
このうち、ウォーキングが直接影響するのは「運動による程よい疲労感がある」という条件です。出張などでいつもよりもよく歩いた日は、しっかり眠れるという体験をしたことのある人もいるかと思いますが、ウォーキングはまさに「程よい疲労感」を得られる運動になります。
さらにウォーキングは自律神経が安定した状態になりやすく、健康的なメンタルで日中を過ごせて、眠りの質が高くなるといったメリットもあります。それだけでなく、毎朝同じ時間に起きて、太陽の光を浴びながらウォーキングをすることで、体内時計がリセットされます。
なぜ体内時計がリセットされるといいのかについて、少しだけ詳しく解説していきます。
睡眠の質にはメラトニンの分泌量が影響するのですが、このメラトニンは朝起きて光が目に入ってから14〜16時間後に分泌されます。たとえば朝の6時にウォーキングに出かけるとします。そうすると20〜22時にかけてメラトニンが分泌され、体が眠りに入るのを促してくれます。
程よい疲労感と睡眠を促すメラトニンの分泌という2つの効果が期待できるため、ウォーキングが上質な睡眠に繋がるというわけです。
睡眠の質を高めるためのウォーキング方法
ウォーキングで睡眠の質を高めることはできますが、何も考えずに歩いていたのでは高い効果を得ることはできません。睡眠の質を意識したウォーキングをしたいのであれば、下記の4点を頭に入れておきましょう。
睡眠の質を高めるためのウォーキング方法
- 1日7,000〜10,000歩
- 毎朝同じ時間にウォーキングする
- ウォーキング時間は30分
- 正しい姿勢で歩く
まず大事なのは1日7,000〜10,000歩は歩くということです。この数字はウォーキングだけでなく、通勤や通学、買い物などによる歩数も加えて構いません。1日でそれだけ歩くことで、程よい疲労感を得ることができます。そして、すでにお伝えしましたようにウォーキングは朝がベストで、できるだけ毎日同じ時間に歩き出しましょう。
深い眠りを得るためにできるだけ長く歩こうとする人もいますが、睡眠を意識したウォーキングであれば、1日30分程度で構いません。それだけしっかり歩けば、夜になって十分な量のメラトニンが分泌されます。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも生成され、強い体が手に入るといったメリットもあります。
そして最後に重要なのが、ダラダラ歩くのではなく、正しい姿勢でウォーキングするということです。正しい姿勢でのウォーキングについては別記事がございますので、そちらをご参照ください。
眠りを意識してウォーキングをするときの注意点
睡眠の質を高めるため効果的なウォーキングですが、やり方を間違えると反対に眠りの質が下がってしまいます。そうならないために、いくつか気をつけなくてはいけないポイントがあります
眠りを意識してウォーキングをするときの注意点
- ウォーキングは就寝2時間前までとする
- 紫外線対策をしっかりと行う
- 歩けない日があっても気にしない
上質な睡眠を手に入れるために、意識すべき注意点がこの3点です。それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
ウォーキングは就寝2時間前までとする
ウォーキングは早朝がおすすめとお伝えしましたが、仕事が忙しくて朝はとても歩けそうにないという人もいるかと思います。そのような人は必然的に仕事が終わってから歩くことになるはずです。ここで気をつけなくてはいけないのが、就寝直前に歩きに行かないということです。
就寝直前にウォーキングをすると体が熱を持ったままの状態で布団に入ることになり、なかなか寝付けないなどの問題が発生しやすくなります。朝にウォーキングができないなら、できれば夕方の日が沈む前に歩くようにするか、少なくとも就寝2時間前までには歩き終えるようにしてください。
紫外線対策をしっかりと行う
質の高い睡眠にするために避けなくてはいけないのが「日焼け」です。日焼けは健康の象徴のように思われていますが、体にしてみればただの火傷でしかありません。体が火照って眠りにくいだけでなく、火傷からの回復にエネルギーを使ってしまうので、睡眠によるリカバリーが遅れてしまいます。
早朝に歩くにしても、夕方に歩くにしても、しっかりと紫外線対策を行ってください。最近は冷感素材かつUVカット機能を持った長袖シャツなども販売されていますので、そのようなアイテムを活用し、さらには日焼け止めも使って紫外線から体を守るようにしてください。
歩けない日があっても気にしない
上質な睡眠は1日にして成りません。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に行に行く。そして同じ時間に就寝するというルーティーンを定着させることが重要になります。ただ、そうなってくると歩けない日があったときに自分を責めてしまいがち。その結果、歩けない自分にストレスを感じてウォーキングをやめてしまう人もいます。
でも歩けない日があって当然です。仕事や約束もありますし、思い通りにならないことなんて無数にあります。自分の気分が乗らない日もあるでしょう。そんな日は歩けなくてもOKです。大事なのは継続することですので、小さなことで自分を責めないようにしてください。
よくある質問(FAQ)
- 1日30分も歩けません。どうすればいいですか?
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最初から30分や8,000歩などの目標を立てなくても構いません。まずは5分でも10分でも歩ける範囲で歩くことから始めてください。ただし、睡眠の質を考えるなら15分以上歩くようにしてください。
- 寝る直前しかウォーキングする時間がありません
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就寝直前にしか時間がないなら、歩きに行かずに早めに寝るようにしてください。30分早く寝れば30分早く起きられるはずです。そうすれば朝起きて歩きに行くといったサイクルを組めるようになります。
- 雨の日も歩かなくてはいけませんか?
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傘もさせないくらいの暴風雨ならお休みにしても構いませんが、小雨くらいなら傘をさして歩きましょう。その場合はウォーキングフォームはあまり気にしなくても構いません。歩かない理由を作らないことこそ、継続のコツになります。
- 仕事帰りにジムで歩くのではダメですか?
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健康のためやダイエットのために歩くというのであれば問題ありませんが、睡眠の質を上げることが目的というのであれば早朝に歩いてください。どうしてもジムで歩きたいなら、就寝の2時間前までに終わらせるようにしてください。
早朝ウォーキングで質の高い眠りを手に入れよう
ウォーキングをする理由は人それぞれですが、もし「もっとしっかり眠れるようになりたい」というのが目的というのであれば、早朝のウォーキングが基本となります。きちんと体内時計をリセットさせて、程よい疲労感を得るために30分ほど歩くようにしてください。
ただし、1回だけで変化が見られるものではなく、数ヶ月継続していたら「最近よく寝れているかも」というくらいに緩やかに変わっていきます。大事なのは継続することで、すぐに結果がでないからといって、ウォーキングをやめてしまわないようにしてください。
また、ウォーキングだけで睡眠の質が上がるわけではありません。部屋の温度管理や湿度管理もしっかりして、栄養バランスのとれた食事も心がけてください。あくまでもウォーキングは上質な睡眠を得るための条件のひとつですので、しっかり眠りたいなら、睡眠以外の部分もしっかりと整えていきましょう。