ウォーキングは手軽に始めることができ、健康を維持した人に最適な運動のひとつです。ただ、ウォーキングを効率的に行うにはいくつかのポイントがあります。速度もその中のひとつですが、困ったことに最適な速さは人によって異なり、自分で最適な速度を見つけなくてはいけません。
そこでここでは、理想的なウォーキング速度の考え方について解説し、自分に最適なスピードを見つける方法を提案します。どれくらいのスピードで歩けばいいのか判断できずに迷っているという人は、自分にぴったりのスピードを見つけるために役立ててください。
ウォーキング速度と体に与える影響
ウォーキングはシンプルで効果的な運動ですが、その効果を最大限に引き出すためには、適切な速度で歩くことが重要になります。どれくらいの速度が自分に最適なのかを把握する前に、まずは一般的なウォーキング速度と体に与える影響について見ていきましょう。
- ゆっくり歩き:2.5〜3.5km/h
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ゆっくり歩きは、リラックスした散歩やリハビリテーションに適しています。この速度では心拍数があまり上がらず、運動効果は軽くなります。
- 中程度の速度:4〜6km/h
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中程度の速度は、一般的な健康維持や体重管理に最適なスピードになります。心拍数が適度に上昇し、カロリー消費も増えるため、日常的な運動として理想となる速度です。
- 速歩:6〜8km/h
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速歩は、心肺機能の向上や体力強化に効果的な歩き方です。この速度では息が弾む程度の運動強度となり、有酸素運動としての効果が高まります。
ウォーキング速度の選び方
ウォーキング速度を決めるときに重要になるのは「何を目的にするか」と「自分自身の体力」になります。ウォーキングを始める理由は人によってそれぞれ異なり、たとえば健康維持のために歩きたい人とダイエットのために歩きたい人では最適な速度は違います。
具体的には、健康維持であれば中程度の速度、ダイエットのためであれば速歩が理想となります。ただし、普段からまったく運動をしていない人が、ダイエットのために歩きたいからといって、速歩からスタートすると負荷が高すぎて継続することができなくなります。
そうならないために、自分自身の体力や健康状態を把握して、それに見合った速度から始める必要があります。まずは目的に応じて目標とする速度を決めて、次に自分の現状を把握して無理なく歩ける速度を選び、そこから目標とする速度に徐々にステップアップしていきます。
目的に応じて、最終的にどの速度で歩けばいいか決めましょう
フィットネステストなどを行い、自分にとって無理のない速度を確認しましょう。フィットネステストが難しい場合には、無理なく会話をしながら歩けるスピードがどれくらいなのか、実際に歩きながら計測してみましょう。
目的に合わせた速度で、無理なく歩ける場合にはそのまま継続していけばOKですが、もし速すぎるとかんじるようなら、まずは無理なく歩けるスピードで1ヶ月ほど歩き続けてください。その速度に慣れたら、ほんの少しだけスピードを上げて、またそのスピードで継続して歩くというサイクルを繰り返しましょう。
自分に最適な速度を見つけるために意識すべきポイント
自分で自分に最適な速度を見つけるのは、思った以上に時間がかかります。理想はウォーキングのトレーナーに見てもらうことですが、その場合には費用が発生していまいます。まずは自分で試行錯誤したいというのであれば、「飽きない」ことを意識して歩くようにしましょう。
大抵の人は自分に最適な速度を見つける前に、ウォーキングに飽きてしまって歩くのをやめてしまいます。そうならないためのポイントをまとめました。
- 目標設定:達成可能な短期・長期の目標を設定しよう
- バリエーション:新しいルートや場所を試しよう
- 仲間を見つける:友人や家族と一緒に歩くことで継続しやすくなります
- アプリの活用:ウォーキングアプリを使うと楽しみながら歩けます
- 音楽やポッドキャスト:お気に入りの音楽やポッドキャストを聴きながら歩いてみよう
- 体調管理:無理をせず、ときには休みを入れて疲労を貯めないようにしてください
真面目にコツコツ歩ければ、これらのポイントはあまり重要ではありませんが、ほとんどの人が毎日同じことの繰り返しだと飽きてしまいます。ルートを新しくしたり、音楽やラジオを聞くなとして、目先を変えるようにしてください。合わせて「毎日同じ時間に歩く」のも重要です。
同じ1日でも朝と夕方では体のコンディションは異なり、無理なく歩ける速度は異なります。歩く時間を毎日変えていたのでは速度が安定しません。さらに習慣化するのも難しくなるので、ウォーキングが習慣化できるまでは、できるだけ毎日同じ時間に歩いて、定着させましょう。
おすすめアプリについては別記事がございますので、そちらをご参照ください。
ウォーキング速度はスマートウォッチやスマホで計測しよう
自分に最適な速度を知るためには、いま自分がどれくらいのスピードでウォーキングをしているかを把握する必要があります。距離表示のある公園なら、その距離を何分で歩いたかを計測することで速度を算出することも可能ですが、実はもっと手っ取り早い方法があります。
それがスマートウォッチやスマホを使った速度の計測です。スマートウォッチやスマホにはGPSが搭載されていて、移動距離と移動時間から速度を導き出し、画面にリアルタイム表示してくれます。このため「これくらいなら無理がないかな」という速度で歩きながら、画面を見れば現在の速度がわかるというわけです。
おすすめデバイス
●Apple Watch
ウォーキングを効果的にサポートしてくれるスマートデバイスです。内蔵のフィットネスアプリで歩数、距離、消費カロリーをリアルタイムで追跡し、心拍数やペースをモニタリングすることで、ウォーキングの効果を最大限に引き出してくれます。
また、通知機能や音楽再生もできるので、ウォーキング中のモチベーションを維持しやすいといったメリットがあります。
Garmin Forerunner 165
ウォーキングをサポートしてくれる高性能なスマートウォッチです。内蔵GPSとフィットネスアプリにより、正確な歩数、距離、消費カロリーを追跡できます。また、心拍数モニタリングやペースの管理機能もあり、ウォーキングの効果を最大限に引き出すことができます。
スピードとペース表示の違い
スマートウォッチやスマホで速度を計測する場合、時速表示ではなくペース表示になることがあります。
スピード表示:5km/h(時速5km)
ペース表示:12min/km(キロ12分)
これはどちらも同じ速度なのですが、ペース表示にはあまり馴染みがないという人も多いはず。それなのにペース表示が主流になっているのには理由があります。ペース表示は1kmをどれくらいの時間で歩ける(走れる)かを示しており、1kmごとに確認ができます。
スピード表示よりも、細かく速度を調整しやすいといったメリットもあります。スマートウォッチやスマホによっては時速表示に対応しているものもありますが、スピードの感覚を身につけやすいのはペース表示ですので、ペース表示のままにして使い、慣れるようにしてください。
まとめ
ウォーキングをするときの速度で大事なのは、何のためのウォーキングであるのかを明確にすることです。ケガからのリカバリーであればできるだけゆっくりであるべきですし、ダイエットをしたいのであればよりカロリーを消費できるように速歩を選ぶなど、目的に応じて速度を決める必要があります。
ただし、目的に応じた速度に自分の体が耐えられるかは別問題になります。目的に応じた速度は最終的な目標であり、まずは会話を楽しめるくらいの速度で、歩くことから始めましょう。継続していけば筋力も持久力もアップしますので、余裕が出てきたら少しだけ速度を上げるというのを繰り返して目標に到達しましょう。
目的を叶えるのはそのスタートラインに立ってからです。そこまでに時間はかなりかかりますので、まずはウォーキングに飽きないように、こまめにコースを変えるなどして習慣化していきましょう。またスマートウォッチやスマホを使って自分の速度も測るようにして、自分の歩きを数値として把握するのも忘れず行っておきましょう。