健康のためにウォーキングを始めてみたけど、毎日同じコースで退屈になってきたという人におすすめなのが、ウォーキングと観光の組み合わせです。目的地があればウォーキングも楽しめますし、電車やバスを使って移動する旅行とは違った時間軸で風景を楽しむことができます。
そこでここでは、観光ウォーキングのメリットや楽しみ方、おすすめのスポットなどについて、わかりやすく解説していきます。ある程度の距離を歩けるようになってきたので、もっとたくさんの道を歩いてみたいと思っている人はぜひ参考にしてください。
観光ウォーキングのメリット
まずは観光ウォーキングにどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
観光ウォーキングのメリット
- いつもよりも長い距離を歩ける
- 隠れた名所を見つけられる
- 交通費の節約になる
- 地元の人たちとの交流のチャンスが増える
歩いて旅行をするメリットはいろいろありますが、ウォーキングを楽しみたい人にとって最大の魅力は、いつも以上の距離を歩けるという点にあります。いつもは30分で終わっているウォーキングも、観光スポットを歩いて巡っていたら、いつの間にか数時間歩いていたなんてことも珍しくありません。
また、ゆっくり移動することになるので、小さなスポットを見落とすことがありません。電車やバスでは気づくことのなかった風景に出会えるのも観光ウォーキングのメリットになります。もちろん交通費の節約になり、浮いたお金でランチにデザートを付けることもできます。
そして何よりも、人との出会いのチャンスが増えます。地元の人に道を聞いたり、信号待ちの間に話をしたりと、人との接点が増えることも観光ウォーキングの魅力のひとつです。思わぬ出会いにより、小さな旅のはずが人生を変える大きな1日になるなんてこともあります。
観光ウォーキングの始め方
観光ウォーキングだからといって特別に身構える必要はありませんが、自宅近くを歩くわけではないということで、少しの準備が必要になります。どのような準備をしなくてはいけないのかを見ていきましょう。
適切な服装とシューズを選ぶ
観光ウォーキングをするときには事前に天気予報をチェックして、気温に見合ったウェアを選ぶようにしてください。汗をかくような気温だった場合には、インナーに消臭効果のあるウェアを着ると帰りの電車で汗の匂いで気まずい思いをせずに済みます。
シューズは普段から履き慣れたものを選んでください。いつもよりも長い距離を歩くことになるので不安という人は、事前にクッション性の高いウォーキングシューズを購入しておき、普段のウォーキングで足になじませてから観光ウォーキングで使用してください。
十分な水分を持っていく
都会を歩く場合には、どこにでもコンビニや自販機がありますが、地方の観光スポットを歩く場合、途中で水分を購入できないことがよくあります。そういうときに脱水症状を起こさないようにするためにも、十分な量の水分を持っていきましょう。スポーツドリンクもしくは麦茶を水筒に入れておくのがおすすめです。
地図アプリを使いこなせるようにしておく
観光ウォーキングでは地図アプリを使って移動することになります。地図アプリのガイド機能や検索機能を使えるようになっておきましょう。スマホ操作があまり得意ではない場合や、圏外になりそうなエリアを旅行する場合には、ガイドブックもしくは紙の地図をご用意ください。
観光ウォーキングに持っていくと便利なアイテム
観光ウォーキングをするときに持っておくと安心なアイテムや、旅がもっと楽しくなるアイテムをいくつかご紹介します。
- 日焼け止め
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屋外を長時間歩くことになるので、自宅で日焼け止めを塗ってから出発しても、いつの間にか日焼け止めが汗で流れ落ちてしまう可能性があります。塗り直しができるようにコンパクトなサイズの日焼け止めを持っていきましょう。
- 救急セット
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思わぬケガをしてしまう可能性がありますので、絆創膏やポイズンリムーバー、包帯などが入った救急セットを用意しておくと安心です。amazonなどのネットショップで持ち運びしやすい救急セットが売られていますので、事前に購入しておきましょう。
- デジタルカメラ
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いつもとは違う風景の中を歩くことになるので、その風景を記録するためにデジタルカメラがあると便利です。スマホでも問題ありませんが、ミラーレス一眼カメラなどがあると、より美しく風景を切り取ることができます。カメラはウォーキングと相性のいい趣味のひとつですので、観光ウォーキングを機会に始めてみるのもいいかもしれません。
- 雨具
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天気予報が晴れになっていても、急に雨が降ってくることもあります。夕方になって気温がグッと下がることもありますので、防寒対策としてもコンパクトなレインウェアを持っておきましょう。100g程度の軽量な折り畳み傘をカバンに入れておくとより安心です。
- 入浴セット
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ウォークングとはいえ汗をかくことになるので、帰りの電車に乗る前に銭湯や温泉で汗を流しておきたいところです。そんなときのために入浴セット(手ぬぐい・タオル・石鹸・シャンプーなど)を準備してください。入浴セットがあれば、途中に足湯などがあったときも躊躇せずに足湯でくつろぐことができます。
観光ウォーキングを楽しむ方法
観光ウォーキングはただ歩くだけでも、いつもと違う風景の中をウォークングできるので楽しいものになるのですが、さらに楽しむための方法をご紹介します。
観光ウォーキングを楽しむ方法
- 事前にポイントとなるスポットをチェックしておく
- 適度に休憩をいれる
- 裏路地に入ってみる
- 予定通りに歩こうとしない
観光ウォーキングをより楽しいものにするためには、この4点を頭に入れておきましょう。それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
事前にポイントとなるスポットをチェックしておく
目的もなくただ歩くというのも悪くありませんが、無計画にウォークングをすると素晴らしい景色に気付かないまま素通りしてしまったり、美味しいお店を逃してしまったりします。まずは事前にきちんとポイントとなるスポットをチェックしておきましょう。そして暫定のルートも決めておくとスムーズに歩き出せます。
テレビ番組みたいにフラッと歩くというのに対する憧れもあるかと思いますが、あれは上級者のすることです。初心者が真似ると、ただ歩くだけになってしまいますので、最低限の下調べはしておいてください。
適度に休憩をいれる
普段のウォーキングよりも長い距離を歩くことになりますので、少なくとも1時間に1回は休憩を入れましょう。気になったカフェに入るのでもいいですし、お弁当を買って公園などでくつろぐのでも構いません。たくさん歩くにはたくさん休む必要があります。休憩は悪いことではありませんので、積極的に休みを入れてください。
裏路地に入ってみる
観光ウォーキングの魅力は「新発見」にあります。そのためには人が入らないような場所も足を踏み入れるようにしてください。曲がりくねった路地裏は秘密のダンジョンのようなワクワク感があり、そして地元の人たちとの出会いがあります。ただし、住宅地になっている場合はあまりおすすめしません。
そして深入りしすぎると戻ってこれなくなりますので、ローカルさを少し感じたところで引き返すようにしてください。
予定通りに歩こうとしない
予定を組んだ段階では「10km歩く」となっていたとしても、実際に歩き出したらそんなことは気にせず、自分の足が向く方向に進んでいきましょう。歩きだしてすぐに喫茶店に入ってもいいですし、予定外に砂浜やハイキングコースを歩いてみるのもOKです。
観光ウォーキングにルールなんてありません。絶対に外せないというスポットだけ抑えておき、あとは自由なルート、自由なペースで歩きましょう。
ウォーキングで観光を楽しむための注意点
自分の足で観光するというのはとても楽しい運動になりますが、実施するうえで気をつけなくてはいけないポイントが4つあります。
観光ウォーキングの注意点
- 天気が荒れそうなら延期する
- 日没時刻を意識して歩く
- 気温が30℃以上ある場合は中止する
- 交通マナーを守って歩く
まず大事なのは天気予報をチェックして、大雨や強風、落雷などのリスクが高かった場合には、観光ウォーキングを延期してください。楽しく歩くことが目的なのに、そのような環境の中を歩くのは苦行にしかなりません。また、合わせて日没時刻も確認し、日没の1時間前には歩き終えるようにスケジュールを組んでください。
同じく気温も重要で、気温が30℃を超える場合には熱中症リスクが高くなります。その場合には中止もしくは午前中で観光を終わらせるなどの暑さ対策をしっかりと行ってください。
安全に楽しむために、交通マナーを守ることも忘れないでください。特に気をつけてほしいのが歩きスマホです。歩きながら地図を確認したくなりますが、これは絶対にNGです。地図の確認は立ち止まって、周りの人に迷惑がかからない場所で行ってください。
イヤホンで音楽を聴くのもやめておきましょう。最近はオープンイヤーのイヤホンもあり安全に音楽を楽しめるとなっていますが、周りが見えにくくなるので初めての場所を歩くのには向いていません。安全にウォーキングを楽しみたいのであれば、イヤホンは外しておきましょう。
おすすめの観光ウォーキングスポット
ここまでの説明で、観光ウォーキングも楽しそうだなと感じはじめた人もいますよね。そんな人のために初心者向けの観光ウォーキングスポットをいくつかご紹介します。
鎌倉
観光ウォーキングの定番中の定番、初心者にもおすすめなのが鎌倉です。観光客が多いというのが少し難点ですが、たとえば鶴岡八幡宮から大仏まで歩くと30〜40分くらいで、途中でたくさんの寄り道ができます。さらに海もハイキングコースもあり、目的に応じて様々な楽しみ方ができます。
電車でのアクセスもしやすく、飲食店も多いので荷物を減らせるといったメリットもあります。歩き旅だからこそ見つけられる小さな名店などもありますので、ある程度の時間歩き続けられるようになったら、まずは鎌倉から歩いてみましょう。
ちなみに関西ですと、こちらも定番の京都が観光ウォーキングの初心者向けスポットになります。
箱根旧街道(石畳)
しっかり歩ける自信があるなら、箱根湯本から芦ノ湖までの箱根旧街道に挑戦してみましょう。全長約9.5kmもあり5時間前後の長旅になりますが、箱根の自然と歴史を感じることができます。おすすめは箱根旧街道の石畳を歩くコース。
コース途中にある甘酒茶屋では甘酒はもちろんのこと、お餅などここでしか食べられないメニューを楽しめます。気をつけたいのは石畳が滑りやすいという点です。滑りにくいウォークングシューズもしくは、ハイキングシューズを履いていきましょう。
箱根には他にもいくつものハイキングコースがありまあすので、興味がある人はぜひ箱根町観光協会公式サイト「箱根全山」のハイキングコースページをご確認ください。
中山道(馬籠宿-妻籠宿)
日本には美しい道、美しい街がいくつもありますが、その中でもとくに素晴らしいのが中山道です。そんな中山道でぜひ歩いてもらいたいのが馬籠宿から妻籠宿の区間です。2つの宿場町で日本の歴史を感じることができ、さらには宿場町を繋ぐ道では自然の中を気持ちよく歩けます。
距離は約8kmで、早く歩く人なら2時間程度。峠道ですのでそれなりに体力が必要になりますが、ゆっくり自分のペースで着実に歩けばきちんと妻籠宿にたどり着けます。どちらの宿場町にも宿泊施設がありますので、1泊するというのもおすすめです。